ヒノキブログ

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【フェルミ推定】最低賃金を時給1500円にすると政府の負担は非正規雇用者だけで10.8兆円!

1.背景~具体的にいくら掛かりそうなのか計算してみた

最低賃金を時給1500円にするという政策を某政党が掲げていますが、最低賃金を支払うことができない企業には政府が補償することを補足しています。

ところが政府がどのくらい補償するのか、具体的な金額が試算されていなかったので、個人的にフェルミ推定をやってみました。

「まあ、こんくらい掛かるんじゃね?」というレベルですので、

真に受けないでくださいね!あくまで検討材料の一つとして考えてください。

 

2.計算式と計算要素の説明

本当は正規雇用者についても計算すべきですが、計算しやすいので、正規雇用者だけを前提にして計算しました。

 

ー算式ー

政府負担額 = A.非正規雇用者数×(1500円-B.平均時給)×C.年間推定労働時間

×D.赤字企業の割合)

 

A.非正規雇用者数は2189万人(2019年7月~9月期平均)

これはもうそのまんまです。

ソースデータ↓

https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/index.html

 

B.平均時給は1072円(2019/08/31)

全国のアルバイトの平均時給を持ってきただけです。

https://moneyzine.jp/article/detail/216358

1500円が最低賃金となりますので、現状の平均時給に足りない部分が増加するわけですね。

 

C.年間推定労働時間は1,920時間と推定

れいわ新選組の「最賃1500円でも月収では24万円程度。」という記述があることから

「1500円×一日8時間×5日×4週間=240,000円」

一か月160時間で年間12か月を掛け合わせた1,920時間を推定値として使用します。

https://reiwa-shinsengumi.com/policy/

 

D.赤字企業の割合は約60%と仮定

黒字企業は政府の補償が必要がなく、赤字企業だけが政府の補償を必要とするという仮定を置きます。

2019/6/19の日経新聞の記事によれば「国内269万社のうち、2017年度に赤字だった企業の割合は62.6%」と国税調査の結果を元に報じています。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46303070Z10C19A6CR8000/

 

3.計算結果は10.8兆円!

上記2で紹介した計算要素を算式にあてはめて出てきた結果が以下になります。

A.2189万人×(時給1500円-1072円)×1920時間×60%の赤字企業=1,079,299,584万円

約10.8兆円!

 

☆補足

計算結果の減少要因:赤字企業の割合は60%ですが、この赤字企業がそもそも非正規雇用者を雇っていないところもあることを考慮すれば、この金額は減少します。

☆注意事項

繰り返しますが、この数字はあくまで「非正規雇用者」に限定しています。正規雇用者を加えてはいません。ですので、最低賃金を時給1500円に本当にするのであれば正規雇用者についても算定して上記の結果に加算する必要があります。

 

4.まとめ

計算したところ、どうやら正規雇用者の補償だけでも10兆円はかかりそうです。

上記に示した計算式は当然粗があると思いますが、、、、

最低賃金を無理に上げると雇用者が減少する」といった指摘はなしにして(正直こっちの方が致命的な問題ですし、この政策の致命的な欠陥ですが)、いかがでしたか?

 

最低賃金を1500円にすることが現実的に可能なのかどうか検討する材料としてみてはいかがでしょうか?

 

以上