ヒノキブログ

脱サラを目指すサラリーマンが本の要約とレビュー、ニュースの考察、フェルミ推定の結果を共有するブログです。

天才とは努力を続けらえる人のことであり、それには方法論がある。【本の要約とレビュー】

 

1.この本の作者について

この本の作者は山口真由さんです。

彼女は東大合格、大学三年で司法試験に合格し、大学四年で国家一種に合格、東大を首席で卒業し、財務省を経て弁護士登録という、超エリートです。

そんな彼女が書いてくださった努力の方法論を一挙紹介してくれるという素晴らしい本でした。

この本は勉強法だけでなく、普段の仕事のスタンスにも影響を与えるような内容も詰まっています。しかもとても読みやすく、一日で読み終わりました。

努力の方法論が知りたいという方には本当におススメの本です!

 

2.参考になった内容を列挙

①4分野の評価

長所を伸ばすことを前提に、自分の得意分野を考えることを提案しています。自分の得意分野については以下の4つを評価することで見出すことができます。

「読む」「聞く」「書く」「話す」の4つです。

作者である山口さんは「読む」が最も得意だったため、そこを重点的に鍛えていったと記載しています。

 

②上位3分の1を目指す

No1を目指すのではなく、上位3分の1を目指すことを念頭に置くことを提案しています。この3分の1という数字がどこから来たのかというと東大における成績の評価でした。東大では一つの講義について「優(最も良い評価) 」がもらえるのは履修者の上位3分の1だったため、すべての講義で作者は上位3分の1以上の成績をキープすることで東大首席卒業の栄光を手にしました。

上位3分の1というハードルは高くはないため、努力すれば誰でも出来ると明言しています。逆に「東大1位合格」については運の要素もかなり大きいと言っていました。

勉強に限らず、上位3分の1をキープするというのは実社会においても適切な評価の対象になります。例えば、営業成績が毎月1位はかなり困難ですが、上位3分の1をコンスタントに取れているというのは評価されるはずです。

 

③努力はまわりに見せる

日本では努力は密かにやることが美徳とされていますが、努力しただけで日本は評価されるものです。なので、自分の努力を周りに見せることで、ねぎらいの言葉や評価を受け、努力を続ける生活が送れる。

作者が高校時代に苦手だった体育の授業で、先生に分かるように朝の体育館で逆立ちの練習するエピソードが出てきます。かなり強か(したたか)なやり方の印象でしたが、うまくいったようで、逆立ちがしっかりできなくても評価してもらえたそうです。

 

 

3.レビュー

上記の他にも努力を続けるための方法がたくさん書いてありましたが、個人的に参考になったのは上記の3つでした。これから何か勉強しようと思っている方も、何かにチャレンジしたいと思っている方も一読の価値ありの本でした。

 

以上

【本の要約とレビュー】上級国民/下級国民(橘玲)

 

1.結論~知能格差こそが上級国民と下級国民の分断の正体

本書の結論では知識社会においては、知能の高い人間が優位な立場になるので、経済格差とは知能格差のことを意味している。

そのため教育は格差拡大装置として、学ばない人間が下級になることを自己責任であるとしている。

ただしこの本では上級国民と下級国民を定義していないので、各章を読み、読み手が定義していく必要がある。

 

2.本の要約

①令和で日本で起きること

まず、平成30年間を振り返り、令和がどんな時代になるのかを予測している。

日本の社会構造、政策、報道に関して、人口統計や労働市場の変化を用いて、日本が団塊世代を中心に動いていることが明確に理解できる内容となっている。

統計的データを用いて、バブル崩壊後も団塊世代の雇用は守られ、その代わり団塊ジュニアの雇用は犠牲にされたことを明確に示している。

当然それらは報道などされなかった。なぜなら報道機関で働いている人もこの世代だから、自分たちが既得権益を守っていることにはフォーカスせず、今の若者が怠けているのだとニートというワードにフォーカスして視線を逸らしていた。

そして、団塊世代が選挙における票田であることから、令和は団塊世代社会保障をするための時代になることが予想されている。

具体的にはじわじわと社会保障費や税金が上がっていく社会が20年続くというハードなシナリオである。

その先に待っているのはもっと貧乏くさい日本という国である。

 

②モテと非モテの分断

ここでは教育格差が経済格差につながり、さらにモテと非モテの分断にもつながることを示している。

学ばなかったことによって中卒や高卒になった人たちはアンダークラス下流)になるが、これは教育が本質的に格差を生むことを示している。

*教育格差と聞くと教育を受けたくても受けれないという人がいるという問題を扱っているように聞こえるが、この本ではそうではなく、あくまで自己責任で教育を受けることを放棄している人を扱っている。

先史時代から男の性淘汰が社会での高い階級になることと女性にモテることが一致するが、女性の場合は階級を気にしないという例外もあるものの、年収の少ない男性が結婚できないことを統計的なデータで明らかにしている。

また、生涯未婚率が男性が23%であるのに対して女性が14%である理由を「一人の男性が離婚と結婚を繰り返し、複数の女性と結婚していること」を主張し、現代は一夫一妻制であるが、事実上は一夫多妻制であるといっている。

 

③世界の分断

知識社会、リベラル化、グローバル化が三位一体であり、主にアメリカで起きている分断について記載している。

分断をもたらす根幹にあるものは現在の知識社会に適応した知能を持つかどうかである。

現在右傾化した政権が目立つように見えるのはこのリベラル化への反動として捉えることができる。

 

④どう生きればいいのか?2つの戦略

1つ目の戦略は「高度化する知識社会に最適化した人的資本を形成する戦略」で、エンジニアやデータサイエンティストになるということを記述している。

2つ目の戦略は「評判資本」のマネタイズしていく戦略で、SNSインフルエンサーやYouTuberになることを記述している。

 

3.レビュー

ずいぶん暗い内容が書かれている本ですが、格差や社会構造について学びたいという人にはお勧めできる本だと思います。

最後のあとがきの部分でまさかのSNSインフルエンサーやYouTuberがこの知識社会を生きる戦略の1つに入っていることに驚きました。自分の戦略は間違っていないと確信することができて本当に良かったです(笑)

 

以上

 

【フェルミ推定】最低賃金を時給1500円にすると政府の負担は非正規雇用者だけで10.8兆円!

1.背景~具体的にいくら掛かりそうなのか計算してみた

最低賃金を時給1500円にするという政策を某政党が掲げていますが、最低賃金を支払うことができない企業には政府が補償することを補足しています。

ところが政府がどのくらい補償するのか、具体的な金額が試算されていなかったので、個人的にフェルミ推定をやってみました。

「まあ、こんくらい掛かるんじゃね?」というレベルですので、

真に受けないでくださいね!あくまで検討材料の一つとして考えてください。

 

2.計算式と計算要素の説明

本当は正規雇用者についても計算すべきですが、計算しやすいので、正規雇用者だけを前提にして計算しました。

 

ー算式ー

政府負担額 = A.非正規雇用者数×(1500円-B.平均時給)×C.年間推定労働時間

×D.赤字企業の割合)

 

A.非正規雇用者数は2189万人(2019年7月~9月期平均)

これはもうそのまんまです。

ソースデータ↓

https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/index.html

 

B.平均時給は1072円(2019/08/31)

全国のアルバイトの平均時給を持ってきただけです。

https://moneyzine.jp/article/detail/216358

1500円が最低賃金となりますので、現状の平均時給に足りない部分が増加するわけですね。

 

C.年間推定労働時間は1,920時間と推定

れいわ新選組の「最賃1500円でも月収では24万円程度。」という記述があることから

「1500円×一日8時間×5日×4週間=240,000円」

一か月160時間で年間12か月を掛け合わせた1,920時間を推定値として使用します。

https://reiwa-shinsengumi.com/policy/

 

D.赤字企業の割合は約60%と仮定

黒字企業は政府の補償が必要がなく、赤字企業だけが政府の補償を必要とするという仮定を置きます。

2019/6/19の日経新聞の記事によれば「国内269万社のうち、2017年度に赤字だった企業の割合は62.6%」と国税調査の結果を元に報じています。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46303070Z10C19A6CR8000/

 

3.計算結果は10.8兆円!

上記2で紹介した計算要素を算式にあてはめて出てきた結果が以下になります。

A.2189万人×(時給1500円-1072円)×1920時間×60%の赤字企業=1,079,299,584万円

約10.8兆円!

 

☆補足

計算結果の減少要因:赤字企業の割合は60%ですが、この赤字企業がそもそも非正規雇用者を雇っていないところもあることを考慮すれば、この金額は減少します。

☆注意事項

繰り返しますが、この数字はあくまで「非正規雇用者」に限定しています。正規雇用者を加えてはいません。ですので、最低賃金を時給1500円に本当にするのであれば正規雇用者についても算定して上記の結果に加算する必要があります。

 

4.まとめ

計算したところ、どうやら正規雇用者の補償だけでも10兆円はかかりそうです。

上記に示した計算式は当然粗があると思いますが、、、、

最低賃金を無理に上げると雇用者が減少する」といった指摘はなしにして(正直こっちの方が致命的な問題ですし、この政策の致命的な欠陥ですが)、いかがでしたか?

 

最低賃金を1500円にすることが現実的に可能なのかどうか検討する材料としてみてはいかがでしょうか?

 

以上

 

【本の要約とレビュー】もっと言ってはいけない(橘玲)

 

 

 

1.この本について

この本は冒頭であるように「読んだ人を不快にさせる本」と記載されています。なぜならこの社会においては遺伝によってほとんどの事象が説明できてしまうからです。

知能、精神疾患、犯罪…これらは遺伝によるところが大きい。しかもその根拠を統計的事実を以って説明されてしまうので、読んだ人は「結局人生親かよ!?」という、努力なんて報われないという気分にさせられるからです。

しかし、私は失望しませんでした。むしろ希望を持ちました。

遺伝によって身体的特徴も性格も親に似てきてしまうということは逆に考えれば…

 

 

2.本の要約

⓪(注意事項)この本のよくある誤解について

この本で記載している内容はあくまで統計的事実であって、定義でも一般化しているわけでもない。

よくある不毛な指摘として「親が高卒でも東大に入った人がいる」だとか「医者の子供は中卒だ」だからこの本はでたらめだ!というしょうもないインターネットのレビューについては、一蹴している。

また、行動遺伝学で知能が遺伝するという知見はあるが、「知能は遺伝で決まる」という一般化をしているわけでもない。あくまでも統計的事実であって、当然例外もあるということを最初に記載している。

 

①人格の構成と平等な社会について

この本では人格の構成を下記のように仮定している。

人格=遺伝+環境( 共有環境 ー 非共有環境 )

環境とはいわゆる「育ち」のことで、共有環境とは「子育て」、非共有環境とは「友達関係」を意味する。

この公式の残念なところは共有環境、つまり「子育て」がほとんどの領域で寄与度が小さいことである。

さらに残念なことに平等な教育がもたらすものはより遺伝が人格を形成する重要な要因になるという事実である(ノルウェーの双子のデータを用いられて検証されているが割愛する)。

 

②年齢とともに遺伝率は上がる

簡単に言うと「年を重ねるごとに親に似てくる」ということである。

遺伝による知能への影響は幼児期が40%、青年期で50%、成人初期で70%とだんだん親に似てきてしまう。

これも実験の結果から明らかになったことだが、身近な例として、受験期に遊んでばかりいた子が突然成績優秀になり、勉強していたはずの子を追い抜いていく現象は、遊んでばかりいた子の親の遺伝が開花した結果なのだと説明されている。

 

3.この本の活用法!

この本には我々がどう思考していけばいいのか、どう行動していけばいいのか、という問題解決について具体的には記載されていません。

遺伝の影響が強いという事実を受け止め、前向きに考えていかなければならないということです。以前の記事で紹介したように思考が人生を決めるものですから、思考に影響を与えている遺伝を知ることは大変重要です。

ジェームズ・アレンの原因と結果の法則のレビュー↓

https://hinoki-blog.hatenablog.com/entry/2019/12/17/182328?_ga=2.250574725.2034944613.1576513581-1273458796.1576513581

 

 

①自分の両親で自己分析ができる!

自分の両親の良いところと悪いところを客観的に比較して、今の自分の環境や、これからの環境を考えていくことで、得意なところや才能を活かす場所を探していけるかもしれません。自分の両親を客観的に見るのは自分を見つめ直すよりもたぶん簡単でしょう!

これは完全に個人的な話ですが、私の場合、両親は「親しみやすさ」という強みがあります。誰からもあまり警戒されず、すぐに打ち解け、仲良くなっているという特徴があります。

また、「人が嫌がることを率先してやる」というのも両親の特徴でした。父親は誰もやりたがらないPTAの会長をやっていたし、母親は介護士でした。

献身的な行動で感謝されることに喜びを感じる人格に、私自身もなっている実感があります。 

②遺伝との闘いを意識して何倍も努力!

もちろん良いところだけなく悪いところも遺伝されます。実は私の両親はどちらも「わりとテキトー」です(笑)

これは大きな弱点ですし、間違いなく負の遺伝としか言いようがありません。

しかしだからこそこの負の遺伝の存在を利用して己を律していくことができるのではないでしょうか。うちの両親はテキトーで、自分もテキトーだから、何倍も努力しなきゃいかん!となるわけです。

③非共有環境を変える!

非共有環境(友達関係)が人格を形成するうえで、唯一遺伝に対抗できる手段です。

自分が目指す目標に近づいている人や達成している人に物理的に近づくことで、非共有環境を変えましょう。

私が某国家試験に受かったときはこの方法を用いていました。成績が良い人たちとスクラムを組んで勉強に励みました。結果的に合格することができました。

*何の試験だったのかは追々お話します…

 

 4.この本の総括

この本に不快なことは書いていませんでした。むしろ生きていくうえで重要な問題を発見し、その原因まで論理的に記述している素晴らしい本でした。

しかし、この問題に対して具体的な解決策は提示されていないので、そこは別の本や誰かに学ぶのが良いと思います。

 

以上

 

 

 

 

 

【本の要約とレビュー】原因と結果の法則(ジェームズ・アレン)

目次 

 

1.100年以上の超ロングセラー本!

この本が書かれたのはなんと1902年!100年以上経ったにもかかわらず未だにこの本が売れ続けているのです。

それはこの本が自己啓発の原点と呼ばれているからです。一読する価値ありの名著だと思い、私も読んでみました。

 

2.本の要約

①行動は思考の花、喜びや悲しみはその果実

「マインドで思うことが私たちを作り上げる」と明確にしています。

思考こそは行動を生み出し、行動の結果としての喜びと悲しみが生じ、この法則は絶対だと主張しています。ただし、この本ではこの根拠については一切の記載がありません

「良い思考が良い結果を、悪い主張が悪い結果を生む」ということがこの本全体を通じて語られています。

 

②環境に対する思考の影響

「環境は思考の持ち方によって変わる。

自分の外の世界である環境でさえも自分自身に原因があり、自己管理と自己洗浄をすれば環境を変えることすらできる。」

環境も自分の内なるものと整合するため、自分の思考を変えることで、環境も変わるものと捉えています。

 

③個人の成功

 明確に成功するかしないかは自分の思考の持ち方であり運否天賦ではないことを主張しています。

マインドが環境を作っている以上、自分の状況を変えることができるのは自分だけであると明確にしています。

さらに成功できない人たちは自己抑制と自己犠牲が足りない人間であると言い切っています。

 

3.本のレビュー

かなり抽象的な表現がつらつら書かれている本でした。しかしその分量は少なく、100ページほどで、それこそ2時間もかからずに読み切ってしまいました。

主張に対しての裏付けとなる統計的なデータや事例といったものは一切ないのが特徴です。しかし、この本の不思議なところは全く根拠がないにも関わらず、説得力があることです。

なぜ説得力があるのか?それはこの本を読む人のほとんどがいくつかの自己啓発系の本をよく読んだことがある人だからではないかと思います。

この本で書かれていない根拠は、別の本で読んだ内容や誰かが言ったこと、誰かが成し遂げたことなどとリンクするのではないでしょうか。

嫌われる勇気で紹介されているアドラー心理学の考え方や7つの習慣にも非常に近いものを感じられました。これらの有名な本を読んだことがある人であれば、きっと楽しめる本だと思います。

 

4.この本を読んでどう行動すべきか?

結局自分次第で環境も人生も変えられる!という話でした。

思考が自分の人生を作り上げるものなのですから何かにフルコミットしてみましょう。

私も脱サラ目指して頑張っていきたいと思います。

 

以上